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アカデミアと企業を結ぶTranslational Research支援

 医療分野における技術革新は目覚ましく、最近では、1960年代に登場した人工知能(AI)の医療への応用が本格化しています。すでに、レントゲン、CT、MRIや、細胞診などの画像認識から、医師が何日もかかって見出す異常も、ほんの一瞬で見つけることができるようになっています。さらに、機械学習やディープラーニングの医療への応用が注目され、まさに革新的な変化が起こっています。通信インフラの5Gが整備されれば、さらに加速して生活に適用され、医療のあり方も大きく様変わりしていくに違いありません。

 一方、これら革新的発見を生み出す基礎研究に目を向けると、素晴らしいことに、我が国は毎年ノーベル賞受賞者を輩出しています。興味深いことに、受賞後各先生揃って、「ノーベル賞を取るためには、基礎研究への投資、そして若手研究者がのびのび研究できる安定的なポストや環境づくりが欠かせない」とおっしゃいます。

 実際に大学をはじめとする研究は厳しい環境におかれています。現在、博士課程修了者の約6割は安定した研究職に就けず、博士になりたいという数も減少傾向にあります。また留学志向も減少し、コロナ騒動はさらに拍車をかけました。一方、研究テーマは研究資金獲得の実績作りのために、短期的な成果を出しやすい応用研究へと移行しています。「選択と集中」というスローガンで研究費の重点配分により、大規模上位大学に資金が集中している傾向にもあります。

 しかしながら、このような状況の中においても、限られた原資で研究力の底上げを図り、アイデアをフルに発揮する研究者も数多くおられます。これらの研究内容は、事業性の観点から見れば、規模の小さいものもありますが、独創性や新規性に富み事業の力の入れようにより、大きく変身すると言っても過言ではない研究シーズが多くあります。我々はこのような研究シーズを見出し、ビジネスとしての実装化(アウトカム)へと導いてまいります。

 未来予測の困難な時代においては、新たな価値の創造がますます重要性を際立たせます。しかしながら、真の意味で新たな価値創造をするために我々は以下の3つの重要な観点があると考えています。

1. 「有用性」:どのような問題を解決したら人の役に立つことができるか。

  ニーズや課題を見出す目利き力が必要です。

2.「実現可能性」:新しいアイデア、商品、サービスを実際に形にできるか。

  価値を見出す目利き力が必要です。

3.「持続可能性」:有用で、実現可能でも、ビジネスとして成立させないと意味がありません。

  一連の計画を実現へと導くデザイン思考が必要です。

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